南関東地区クラス分け~在籍馬(2023年)

浦和競馬船橋競馬大井競馬南関東地区川崎競馬クラス分け

南関東地区4競馬場(浦和、船橋、大井、川崎の4場、以下「南関4場」)のクラス分けは共通ルールとなっています。日程の連携で年間通して途切れなく開催がある南関4場ですが、開催場が変わっても同じ評価に基づき統一された条件でレース編成が行われています。

評価値:2歳はポイント、3歳以上は番組賞金

南関東地区のクラス分けの際に使用される評価値は獲得本賞金をベースに計算される「番組賞金」が使われてきましたが、2023年デビューの2歳馬はデビュー時より、また2024年1月1日から全馬の格付けは、番組賞金に代わる格付ポイント制によって実施されることとなっています。
このため2023年4~12月に限り、2歳と3歳以上で違う制度を使用したクラス分け・レース編成が行われます。

番組賞金とは(3歳以上)

  • 番組賞金算定日までに収得した1着までから5着までの着内賞金(本賞金)
  • 番組賞金算定日は南関4場開催日割を基準として、当該開催の前々開催最終日
    (前々開催・直前開催が重複、もしくは開催間隔がない場合は競馬競走番組に定めた日)

番組格付ポイントとは(2歳)

  • 番組賞金算定日までの1着までから5着に対し競走種類に応じて設定されたポイントを合計した数値
  • 番組賞金算定日は3歳以上と同様

番組賞金算定日

番組賞金算定日の起点は設けられておらず、在籍馬は生涯成績で格付が行われます。ただし、南関東地区以外からの転入馬は転入時の格付けルールが別に設けられているため、生涯成績での算定額でない額で開始するケースがあります。(別項)

一方、算定の終点の原則は「南関4場開催日割を基準として、当該開催の前々開催最終日」とあり、直近の成績ではありません。

開催日割と番組賞金算定日の関係

2022.4. 4~2022.4. 81回川崎←4.8終了時点が2回大井の算定日
2022.4.11~2022.4.151回船橋←4.15終了時点が1回浦和の算定日
2022.4.18~2022.4.222回大井1回川崎終了時点で算定
2022.4.25~2022.4.291回浦和1回船橋終了時点で算定

格付算定とレースにタイムラグがあるため、仮に間隔を詰めて使った場合、本来なら昇級しているのに昇級前のクラスで走れるケースが想定されます。

ただ「勝って何もかも同条件」とならないよう、番組賞金算定後1着を得た馬については「勝得(かちとく)馬に対する加増」と呼ばれる、競馬番組の規定によって負担重量の加増が行われます(適用しない競走もあります)。

南関東地区在籍中に獲得した本賞金の番組賞金への換算

原則は獲得した1戦ごとの賞金をそのまま加算していきます。ただし、下記の区分に該当する競走は換算が行われます。南関東の3歳以上競走では遠征以外ではGI、JpnI級の大レースを勝たない限りはそのまま加算ですが、3歳限定の競走に関しては南関東限定の重賞でも換算が生じ、番組賞金への加算が抑えられるようになっています。

区分換算ルール
3歳以上の競走で1着賞金5000万円超の競走の1着馬
(JRAが実施する指定交流競走を除く)
5000万円
南関東地区の3歳馬の
1着賞金700万円以上1200万円未満の競走の1~5着馬
80%換算
南関東地区の3歳馬の
1着賞金1200万円以上2000万円未満の競走の1~5着馬
70%換算
南関東地区の3歳馬の
1着賞金2000万円以上の競走の1~5着馬
60%換算
JRAが実施する指定交流競走の1~5着馬60%換算
3歳馬の他地区で実施するダートグレード競走の1~5着馬60%換算
(換算の結果千円未満の端数がある場合は切り捨てる)

番組格付ポイント(2歳馬)

「格付ポイント制」は同条件であっても開催場の賞金差により、南関東で似たような条件を走っていても番組賞金が異なることで、格付にずれが生じていた問題を是正するために2023年度から導入された制度です。

格付ポイント制では南関東の競走で入着した場合、出走場や獲得本賞金に関わらず、レースの種類に応じて設定された番組格付ポイントが加算されます。

2歳競走 1着 2着 3着 4着 5着
重賞
競走
JpnI 2000 700 400 200 100
JpnII・SI 1500 525 300 150 75
JpnIII・SII・牝馬SI 1200 420 240 120 60
SIII・牝馬SII 1000 350 200 100 50
牝馬SIII 840 294 168 84 42
準重賞競走 600 216 132 78 54
特別競走 320 128 80 48 32
普通
競走
新馬以外 250 100 63 38 25
新馬 280 112 70 42 28

なお、南関東所属中にJRA・地方他場に遠征した場合のポイント付与方法については記事掲載段階で公表資料に明記がありません。

南関東地区のクラス分け

クラス分けは競馬番組に定められた「格付基準表」を基に決まります。この基準では「馬齢」と「開催日が上半期か、下半期か」によって額が変わります。

「格付馬」と「未格付馬」

南関東地区はA1~C3の8段階にクラス分けされており、このいずれかのクラスに割り当てできる馬を「格付馬」、その基準に達していない馬は「未格付馬」と呼びます。

3歳馬は一定の賞金を獲得した時点で格付馬となり、以降は4歳以上の馬と共に「一般競走」と呼ばれる通常の競走にも出走できますが、未格付馬が走ることができる「未格付競走」は3歳馬競走と2歳馬競走しかありません。

格付制限と馬齢での出走資格

南関東地区は地方競馬の中で最も出走資格が厳しく設定され、代謝が図られる仕組みとなっています。

3歳で格付が得られなかった馬は4歳の段階で一旦全馬にC3級が付与されます。
しかし、南関東地区には「格付制限」と呼ばれる制度があり、C3級格付馬でも番組賞金額が定められた額未満となった時点でC3級へ格付けされず出走できる競走がなくなるため、現役を続行する場合は南関4場から移籍しなければなりません。
この額は早くも4歳の3月末時点から設定されており、馬齢を重ねるごとに条件額が上がっていきます。

さらに、南関東地区の出走資格は「出走する開催の初日に満2歳から9歳までであること」となっているため、原則として10歳以上は出走できず、現役を続行する場合はこちらも南関4場から移籍を余儀なくされます。
ただし、10歳以上馬でもA1級格付馬の場合は前年時に入着(5着以内)歴があれば当該年次の出走資格が与えられることとなっており、高齢馬であっても高実績かつ能力を有していれば、例外的に南関東地区での在籍が延長できます。

年齢別クラス分け一覧

格付基準表、出走資格、出走制限を織り込んでの、南関東地区の馬齢ごとのクラス分け基準は次のとおりとなります。

2歳

全馬未格付馬

3歳

(番組賞金 単位:万円以上)

  未格付 C2 C1 B3 B2 B1 A2 A1
1月 全馬              
2月 2,600未満             2,600
3月 1,800未満           1,800 2,600
4月 1,300未満         1,300 1,800 2,600
5月 1,000未満       1,000 1,300 1,800 2,600
6月 600未満     600 1,000 1,300 1,800 2,600
7~9月 400未満   400 700 1,100 1,500 2,000 2,800
10~12月 200未満 200 400 700 1,100 1,500 2,000 2,800

4歳

(番組賞金 単位:万円以上)

  C3 C2 C1 B3 B2 B1 A2 A1
1~3月 200未満 200 400 700 1,100 1,500 2,000 3,300
4~6月 20 200 400 700 1,100 1,500 2,000 3,300
7~12月 20 300 500 800 1,200 1,700 2,200 3,500

※3月末日で番組賞金20万円未満の場合格付制限によりC3級に格付けしない
※12月末日で番組賞金80万円未満の場合格付制限によりC3級に格付けしない

5歳

(番組賞金 単位:万円以上)

  C3 C2 C1 B3 B2 B1 A2 A1
1~6月 80 400 700 1,000 1,400 1,900 2,500 4,200
7~12月 80 500 800 1,100 1,500 2,100 2,700 4,400

※12月末日で番組賞金160万円未満の場合格付制限によりC3級に格付けしない

6歳

(番組賞金 単位:万円以上)

  C3 C2 C1 B3 B2 B1 A2 A1
1~6月 160 700 1,000 1,300 1,700 2,300 3,200 5,000
7~12月 160 800 1,100 1,400 1,800 2,500 3,400 5,200

 ※12月末日で番組賞金240万円未満の場合格付制限によりC3級に格付けしない

7歳

(番組賞金 単位:万円以上)

  C3 C2 C1 B3 B2 B1 A2 A1
1~6月 240 1,100 1,400 1,700 2,100 2,800 3,800 5,600
7~12月 240 1,100 1,400 1,800 2,200 3,000 4,100 5,900

 

8歳・9歳

(番組賞金 単位:万円以上)

  C3 C2 C1 B3 B2 B1 A2 A1
通年 240 1,200 1,500 1,900 2,300 3,100 4,200 6,000

※9歳A1級馬は年内に1戦以上入着がある場合に限り翌年の出走資格が与えられる。

10歳以上

(番組賞金 単位:万円以上)

  出走資格なし A1
通年 6,000未満 6,000

※1戦以上入着がある場合に限り翌年の出走資格が与えられる。

昇級

勝利、もしくは入着による本賞金獲得により加算された番組賞金が上位級の基準額以上になった場合は当日以降に番組賞金が算定される競走より上位級へ昇級となります。

南関東地区には一度獲得した番組賞金を在籍中に減額するルールがありません。
裏を返せば、何歳であっても8歳以上馬のA1級基準額である番組賞金6,000万円以上を獲得すれば、以降は降級もなく9歳の年までA1級に留まることとなります。

降級

南関東地区の各級の基準額は半年ごとに徐々に上がる仕組みです。このため、番組賞金が加算できないと時間の経過とともに現級の基準額を下回った場合、1つ下の級に降級することとなります。

このため、南関東地区の降級は1月と7月の年2回となりますが、各馬の馬齢と番組賞金によって降級の有無が異なります。なお、8歳以上の馬は基準額が変わらないため降級はありません。

基準額が切り替わるタイミングは、開催初日が1月1日もしくは7月1日以降となる開催です。

なお、最下級のC3級在籍馬には降級がない反面、3歳の3月末日から始まる格付け制限が3歳の12月末日以降毎年1回年末に行われ、年齢を重ねるとともに格付制限額が上がっていくため、番組賞金が低いといずれ制限にかかり出走できなくなる恐れがあります。格付制限にかからないためには、最後の格付制限となる6歳12月末日の制限額である240万円以上を獲得することが目安となります。

参考
「大井競馬番組 令和5年度」→こちら
(東京シティ競馬公式ウェブサイトより)

公式説明
「番組賞金の算定方法について知りたい」→こちら
「格付け基準について知りたい」→こちら

(南関東4競馬場公式ウェブサイトより)
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