南関東地区クラス分け~初戦(2023年)

浦和競馬船橋競馬大井競馬南関東地区川崎競馬クラス分け

地方競馬の中では最高の賞金水準をもつ南関東4競馬場(浦和、船橋、大井、川崎 以下「南関4場」)。それだけに他地区からの転入馬はどんな馬でも入れるわけではなく、競走成績等に基づいた他の競馬場より厳しい転入資格が設けられています。

なお、南関4場では入厩し、所属場の移籍登録を行っただけでは転入とはならず、出走申込を行い格付けが付いた段階ではじめて転入したとみなされます。
(※出走申込=概定番組発表後に当該開催へ出走するための最初の申込)

転入資格を満たした馬は獲得賞金や成績に基づいて当初の格付・番組賞金が決定されます。本項ではその方法をご紹介します。

なお、2023年デビューの2歳馬はデビュー時より、また2024年1月1日から全馬の格付け・レース編成は、番組賞金に代わる番組格付ポイントによって実施される格付ポイント制を採用することが発表されています。
このため、2023年のみ2歳馬が格付ポイント制に対し3歳以上馬は従来の番組賞金制を使うため、2つの制度が混在する形となります。

未出走馬の在籍(転入)資格要件

未出走馬(新馬、転入馬とも)はサラブレッド系であり3歳12月31日までに能力試験に合格したうえで、4歳3月31日までに出走できることが条件となります。

4歳3月31日はC3格付馬に対する最初の格付制限(番組賞金20万円未満はC3級に格付けしない)の適用日と一致しており、未出走馬であっても番組賞金が0の馬と同じ考えで措置が取られます。

原則の転入パターン

既出走馬は出走申込時に「馬齢」と「収得賞金額」の2つを満たしていれば転入できます。

馬齢

サラブレッド系で年齢が2歳から6歳であること。

収得賞金額

馬齢に応じて設定された基準額以上の収得賞金額を転入前までに獲得していること。

この収得賞金額の計算ルールは格付時の番組賞金額の計算ルールとは別です。中央、地方両方で獲得している場合はそれぞれを計算後、合計した額となります。

中央競馬での獲得額

1着から5着までの本賞金額の総額となりますが、総額が500万円を超える場合は換算式に基づき換算が行われます。

  • 総額が500万円以下の場合はその全額
  • 総額が500万円を超える場合は
    500万円+(総額ー500万円)×0.6で換算した額

※「総額」なので1戦ごとに換算するのではなく、まず単純に合計し、それが500万円以下か超えるかということになります。なお、「本賞金の総額」のため、付加賞金は対象になりません。

地方競馬での獲得額

1着から5着までの本賞金額の総額がそのまま収得賞金となります。

基準額

馬齢 基準
2歳 50万円以上
3歳 100万円以上
4歳 500万円以上
5歳 800万円以上
6歳 1,100万円以上

勝利度数での転入パターン

収得賞金が足りていない場合でも勝利度数による転入基準もあり、出走申込時に中央、地方を問わず下記の基準を満たしていれば転入できます。

  • 4歳馬は6勝以上
  • 5歳馬は8勝以上
  • 6歳馬は10勝以上

7・8歳馬の転入パターン

サラブレッド系7・8歳馬は南関東地区A級(A1・A2)格付けになる場合のみ転入できます。こちらは本賞金を番組賞金の計算ルールに基づいて換算し、その結果が格付基準表のA1かA2を満たす必要があります。

なお、転入馬の当初格付は在籍馬の番組賞金計算ルールとは異なっており、下項「転入馬の初戦番組賞金」のルールで計算します。

格付基準表(抜粋)
出走申込時期 A2級 A1級
7歳1~6月 3,800万円以上 5,600万円以上
7歳7~12月 4,100万円以上 5,900万円以上
8歳 4,200万円以上 6,000万円以上

転入馬の初戦番組賞金

転入馬に関しては初戦の番組賞金の開始金額の計算の一部が既在籍馬の番組賞金計算とは異なります。また、勝利度数での転入馬の場合、そのまま計算すると経歴によっては番組賞金が低くなってしまうため、一定額まで引き上げる措置が取られます。

一部場には一定期間以内での再転入(出戻り)馬について転入前の格付けを考慮する措置がありますが、南関東地区では初転入馬と同じ扱いで再計算されます。

本賞金の番組賞金への換算

転入前までの中央競馬での獲得本賞金は、転入の可否で使われる計算式を使って合計額を一括で換算するのが大きな違いとなります。地方競馬は既在籍馬のルールと違いはありません。

3歳以上馬

中央競馬分
1着から5着までの本賞金額の総額。ただし、

  • 総額が500万円以下の場合はその全額
  • 総額が500万円を超える場合は
    500万円+(総額ー500万円)×0.6で換算した額


地方競馬分
1着から5着までの本賞金額の総額。ただし、下表に該当する競走の本賞金額は換算ルールにより換算した後の額。

区分換算ルール
3歳以上の競走で1着賞金5000万円超の競走の1着
(JRAが実施する競走を除く)
5,000万円
南関東地区の3歳馬の
1着賞金700万円以上1200万円未満の競走の1~5着
80%換算
南関東地区の3歳馬の
1着賞金1200万円以上2000万円未満の競走の1~5着
70%換算
南関東地区の3歳馬の1着賞金2000万円以上の競走の1~5着60%換算
3歳馬の他地区で実施するダートグレード競走の1~5着60%換算
(換算の結果千円未満の端数がある場合は切り捨てる)

2歳馬

2歳馬はポイント制による編成となるため、獲得本賞金を番組格付ポイントに換算する必要があります。

換算方法は、ダートグレード競走の成績のみポイント表の番組格付ポイントを使い、その他の競走は従来通り上覧「本賞金の番組賞金への換算」の規定による番組賞金への換算を行ったうえ、その算出値を1万で割った値が番組格付ポイントとなります。

なお、南関東→他場→南関東という経歴をたどった再転入馬の場合、再転入前の南関東の成績はポイントではなく番組賞金での計算となります。

ダートグレード

対象競走ごとに番組格付ポイントを付与

  1着 2着 3着 4着 5着
JpnI 2000 700 400 200 100
JpnII 1500 525 300 150 75
JpnIII 1200 420 240 120 60
その他の競走 3歳以上馬の番組賞金ルールで換算した賞金の合計額を
1万で割った値(1万未満の端数は切り捨て)が番組格付
ポイント

勝利度数転入馬の最低番組賞金額

勝利度数による転入馬の場合、本則通り番組賞金を計算すると原則パターンの転入馬よりも番組賞金が低くなる可能性があるため、本則計算と原則パターンにおける当該馬の馬齢の転入条件収得賞金基準額(下表)を比べ、高い方の額が番組賞金となります。

馬齢 最低番組賞金額
3歳 100万円
4歳 500万円
5歳 800万円
6歳 1,100万円

転入馬の最低格付クラス

転入ルールと初戦の番組賞金算定ルールを踏まえた結果、転入時期と馬齢による最低格付クラスは次のようになります。(具体的なクラスは下記リンク「在籍馬編」をご覧ください)

馬齢最低番組賞金
( ポイント )
1~6月7~12月
2歳50ポイント未格付未格付
3歳100万円未格付未格付
4歳500万円C1(400-700未満)C1(500-800未満)
5歳800万円C1(700-1,000未満)C1(800-1,100未満)
6歳1,100万円C1(1,000-1,300未満)C1(1,100-1,400未満)
7歳1~6月3,800万円A2(3,800-5,600未満)
7歳7~12月4,100万円A2(4,100-5,900未満)
8歳4,200万円A2(4,200-6,000未満)A2(4,200-6,000未満)

参考
「大井競馬番組 令和5年度」→こちら
(東京シティ競馬公式ウェブサイトより)

公式説明
「番組賞金の算定方法について知りたい」→こちら
「格付け基準について知りたい」→こちら

(南関東4競馬場公式ウェブサイトより)
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