帯広ばんえい競馬クラス分け

帯広ばんえい競馬クラス分け

ばんえい競馬は地方競馬としては帯広競馬場1場だけで行われている競走です。そのため、移籍馬の概念はなく、また平地競走の地方競馬他場とルールを調整する必要もないことから、ばんえい競馬の特性も考慮されたクラス分けが行われています。

出走申込馬の資格

ばんえい競馬に出走申込ができるのは地方競馬全国協会の登録を受けた2歳以上の国内生産馬で、下記の要件があります。

  • 軽種及び軽半血種以外の馬
    ※軽種…サラブレッド、アラブ、アングロアラブ、サラブレッド系、アラブ系
    ※軽半血種…(定義が複雑なので省略します)
  • 能力検査に合格した馬

能力検査はデビューを目指す2歳馬が大勢受検するシーズン開幕前のものが良く取り上げられます。一方、一発勝負的な取り上げられ方をするケースもありますが、実際は年に何度もデビュー馬対象の能力検査が行われ、不合格になっても再受検できるほか、3歳以上であっても受けることが可能です。

定年制度導入の予告

2023年度の要領において、「令和5(2023)年4月1日以降に10歳以上である馬は、令和6(2024)年4月1日以降の開催には出走できない。」と規定されており、来年度は馬齢が10歳までの馬しか出走できないことが予告されています。
(今後の在厩馬の状況により変更等を行う場合ありと注記されています)

出走の制限(編成除外)

2023年度より、指定クラスの在籍馬のうち年度途中の定められた時点での年間成績が基準を下回った場合は年度内の残りのレースへの出走申込ができなくなりました。

この制限にかかり年度内の出走申込ができなくなった馬は「来年度の要能力検査馬」となり、次年度以降の開催に出走する際には能力検査を受検し合格しないと出走申込ができなくなります。

(今後の在厩馬の状況により変更等を行う場合ありと注記されています)

項目要件
判定日第13回開催終了時点
(2023年度は10月9日まで)
対象クラスB4クラス(280万円未満)
C2クラス(3.4歳110万円未満)
対象馬本年度収得賞金額が在籍クラスの
1着賞金相当額に満たない馬
(本年度中1着入線1回以上もしくは
本年度で10歳以上の馬は対象外)
制限内容第14回開催以降年度内の
出走申込を受け付けず来年度の
要能力検査馬とする
(2023年度は10月14日以降)
例外対象クラス在籍でも第13回開催
終了時点で本年度未出走の馬は
その後の開催に出走可能。
ただし、最終開催終了時に本年度
収得賞金額が在籍クラスの1着賞金
相当額に満たない場合は来年度の
要能力検査馬となる。

評価値は収得賞金

ばんえい競馬のクラス分けの際に使用される評価値は「収得賞金」と呼ばれ、このうち2歳馬以外は「通算収得賞金」と呼ばれる値を使用します。なお、「番組賞金」と表示されることもあります。

通算収得賞金とは

  • 前3年度初日以降の収得賞金の総額
  • 収得賞金とは競馬番組で示した賞金額(1~5着)の獲得額(千円未満切り捨て)

    ※前3年度初日=2023(令和5)年度は2020(令和2)年度の初日

「前3年度+当年度の賞金」という形になっており、年度跨ぎのタイミングで4年度前分となった1年度分の獲得賞金がクラス分けの判定から除かれていく仕組みです。

通算収得賞金の算定対象

牡馬、牝馬限定競走獲得賞金の換算

通算収得賞金を計算する際、下記に該当する競走は換算を行います。

牝馬限定戦に加え、2020(令和2)年度からは2歳牡馬限定競走も半額計算となり、クラスの上昇を抑えるようになっています。

区分 換算ルール
前3年度の牝馬限定で編成した重賞及び特別競走(準重賞含む)の賞金額 50%換算
前3年度の2歳牡馬限定競走の賞金額 50%換算
(換算の結果千円未満の端数がある場合は切り捨てる)

※2歳牡馬限定競走は明け3歳3月までの世代牡馬限定競走を含む

帯広ばんえい競馬のクラス分け

クラス分けは番組編成要領の「格付」で定められており、馬齢と収得賞金に基づき決定されます。

馬齢の読み替え

ばんえい競馬のルール設定における馬齢については「1月以降の開催についてはそれぞれ1歳を加えて読み替える」として年度単位での切り替えになっており、例えば2歳馬が歳を跨いで明け3歳となっても、年度内となる3月までは2歳のルールが適用されます。

2歳

2歳馬は「本年度収得賞金順に格付け」とだけは規定されていますが、要領の負担重量の項目にあるばんえい重量(そりに積む荷物の重さ)の2歳戦の規定には「A」「B」「C」「D」という区分があります(「A」が最も重く、順に軽くなっていく)。

2歳馬の競走は本年度収得賞金の高い順に頭数で区分けした上で、上の区分から「A」のばんえい重量の競走、「B」のばんえい重量の競走…となっており、競走条件も「2歳A-2」「2歳B-4」とばんえい重量の区分と区分の上から何番目のグループかで表示されていることから、これが実質クラス分けのようになっています(レースの賞金もこのばんえい重量の区分で変わっています)。

なお、2歳戦は例年第2回開催から組まれて順次デビューしていきますが、直後の開催では本年度収得賞金にばらつきがないため、一旦「受賞」(収得賞金あり)と「未受賞」(収得賞金なし)に分かれ、新馬戦を経た馬が増えた後に「A」~「D」へ振り分けられます。

3歳以上

3歳以上が通算収得賞金順でクラス分けされており、各クラスの賞金範囲も設定されています。

ばんえい競馬では5歳となって迎えた年度からが平地競走での古馬的な扱いとなっており、これに所定額以上の通算収得賞金を獲得した3・4歳馬が加わる形のグループで7クラスを構成。一方、所定額に満たない3・4歳馬は2クラス構成の別グループとなります。

5歳以上及び3・4歳で通算収得賞金210万円以上

5歳以上と所定額以上の通算収得賞金を獲得した3・4歳馬のグループはオープンとAクラス、Bクラスの区分です。

2010(平成22)年度からの地方競馬統一の「クラス分けは全国どこでも『A・B・C』」との申し合わせに沿い、平地競走他場での最上位格付けは「A」もしくは「A1」ですが(競走条件の「オープン競走」のほか、最上位級もしくは最上位級の最上位組を通称的に「オープン」と呼ぶことはある)、ばんえい競馬のみ最上級の正式な級の名称として「オープン」を使っています。

ばんえい競馬では前述の申し合わせ前は「オープン」と通算収得賞金の範囲でクラス分けを表示しており、申し合わせを受けて通算収得賞金の範囲表示を「A・B・C」に置き換えた一方、最上位だけは引き続き「オープン」の名称を継続しています。

通算収得賞金
オープン 1,000万円以上
A1 1,000万円未満
A2 700万円未満
B1 550万円未満
B2 440万円未満
B3 350万円未満
B4 280万円未満

3・4歳で通算収得賞金210万円未満

所定額に満たない3・4歳馬のグループはCクラスに区分されます。なお、4歳の年度を終えてもCクラスに留まった馬は、次年度からそのままの通算収得賞金を持ってB4クラスへ移ります。

通算収得賞金
C1 210万円未満
C2 110万円未満

昇級

勝利、入着により上位級の通算収得賞金に達した場合、次回開催より昇級となります。

2歳馬に関しては、2歳戦のレース数に応じてばんえい重量のどの区分に何頭格付するかが変動する「相対クラス制」の考え方であるため、昇級するかしないかは次の出走時の登録状況に左右されます。賞金を獲得すれば収得賞金の順位が相対的に上昇して昇級する可能性がある一方、賞金上位に登録馬が少なくなった場合際は、前走着外でも昇級することがあり得ます。

降級

ばんえい競馬では年度途中に番組賞金を減額するルールはないため、3歳以上馬で降級があるのは通算収得賞金の対象年度が1年度ずれる4月の年度当初のみとなります。

年度替わりで4年度前となった1年度分の収得賞金が消えるため、若くして賞金を積んだ馬は年度替わりで一気に格付けが下がることがあります。

一方、2歳馬は昇級同様に登録状況でグループ分けが左右される関係上、こちらは編成の度クラスが動くケースがまま起きています。これは賞金を獲得した馬が収得賞金順の上位に上がる反面、賞金を獲得できないと追い抜かれて全体の中での順位が下がっていくためで、下がり続けるとやがて下の区分に降級してしまうという仕組みです。

ただ、登録状況の兼ね合い(休んでいた上位馬が大量に戦列復帰したなど)で成績に関係なく前回より相対的に序列が下がり、区分が下がるケースもあり得ます。

参考:「番組情報」内「番組編成要領」→こちら

(ばんえい十勝公式ウェブサイトより)
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